ほんの少しだけうとうとしていたらしい。
リナがふと目を覚ますと、ひたむきに自分をみつめる青い目があった。
毛布の中に二人で収まっているとはいえ、しどけなく寝ているのをずっと見られていたのかとリナは顔を赤くした。
「見ないで」
ガウリイの顔を無理矢理そむけさせた。
そして彼の鎖骨のところに額を当てて、再び目を閉じる。
「……りなぁ」
甘える声が間近から聞こえ、それが頭の奥まで響くようでリナは身震いした。
これも毒の様に自分に染みてきて寝入りには悪い。
「しゃべらないで」
寝返りをしてガウリイに背を向ける。
何か言いたげだったが、ガウリイは素直に黙ったまま後ろからゆるくリナを抱きしめた。
ほっとしたのもつかの間、彼の呼気が耳をくすぐり、リナの全身が粟立つ。
「息しないで!」
「んな無茶な」
すっかり目が覚めてジタバタと暴れるリナを引き寄せて、彼は目を細めた。
■ 終 ■